テレビでも大活躍の齋藤孝先生。著書の紹介文にこう書かれていました。
「考える快感」をぜひ味わってほしい。そのためのヒントや方法は、この本に十分に書いたつもりだ。大いに活用していただきたい。
(出典:アイディアを10倍生む考える力(齋藤孝著))
考える快感!
というわけでさっそく読んでみました。
この記事は齋藤孝先生のコチラの本から、大事な箇所をピックアップした”まとめ記事”です。⇩
知っておいて損はないテクニックがこの本には満載!
「考える基礎力」のつけ方
脳のウォーミングアップをする
齋藤先生によると「考える」ことは運動と似ているんだそうです。
なぜ「考える」ことが運動と似ているのか?
私たちは運動をするとき、ウォーミングアップをするはずだ。
いきなり激しい運動をしたら、体がついてこないし、下手をすれば痛めてしまうからだ。
「考える」行為=「脳の運動」
むずかしい勉強をいきなりやってもダメ。
ウォーミングアップとして音読や単純計算をしないと頭が働かない。
数学は「考える基本」が身につく
文系の学生は将来数学は使わないのに、どうして数学をやらなければいけないのか?
子どもにそう尋ねられたら、あなたはどう答えますか?
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齋藤先生によると数学は考える基本が身につく教科なのだそうです。
その理由は?
数学は「チェックする」という脳の働きを鍛えてくれる
たとえば数式では「かけ算・割り算を、足し算・引き算より先にやる」というルールがありますよね。
数学には当たり前のルールの積み重ねがあり、注意深く1つのルールも落とさないようにチェックしながら進めていく必要があります。
もし間違えた場合、1つずつ式を見ていけばどこで間違えたかがわかります。
数学は「効率よく労力を減らし、シンプルを求める」力を伸ばしてくれる
数学では回り道をすることは良くない方法です。
出来るだけ簡単に答えにたどり着くのが良いのです。
Simple is the best.
数学は、ミスを犯すリスクを減らすようにチェックしながら、簡単なやり方を見つけるという「考える基本」を伸ばしてくれるのです。
国語は推測力、比較力を鍛える
数学がシンプルで少ない労力で考える訓練だとすると、国語はできるだけ横道や複雑な道に入り込むことを良しとする教科です。
文学作品の解釈は読む人の数だけ存在します。
歴史上でもいろいろな思想家や哲学者があーでもない、こーでもないと各種問題について論じてきました。
国語を学ぶ=推測・推理・比較といった「考える力」を養う
関連
現代は生活が便利になり、あまり頭を使わなくても暮らしていけるようになりつつある。考えなくてもすむ世の中では、人間の脳が退化する。だから我々は考える力を高めていくよう努力しなければならない、と齋藤先生は述べています。
「考える集中力」のつけ方
齋藤先生による「考える集中力のつけ方」の中から抜粋します。
時間を小刻みに区切る
齋藤先生は授業でストップウォッチを使うそうです。
学生に課題を与えるときは、たとえば3分間など小刻みに時間を区切って答えを出すように求めるそうです。
3分間くらいなら学生も集中できるでしょうし
時間を区切られるといい意味のプレッシャーがかかり、必死になって考えそうです。
考える持続力は練習で伸ばせる
再びスポーツを例にだすと・・
1キロ走れるからといって、すぐにマラソンを完走できるようにはなりませんよね。練習を重ねて徐々に距離を伸ばしていくでしょう。
考える行為も同じで、練習によって伸ばせると齋藤先生は述べています。
(考え続ける)訓練を積んだことのない人には、時間が3分だろうが3時間だろうが30時間だろうが1ヵ月だろうが同じことになってしまう。
(出典:アイディアを10倍生む考える力(齋藤孝著))
考える訓練を積んでいない人は、「本人は考えているつもりでも、実際には考えていないのと同じ」なんだとか!
時間を伸ばしても何も思いつかないんだそうです。
※齋藤先生曰く、6~7割の人が当てはまるそうです。ということは私も?あなたも?
「アイディア力」のつけ方
ここまでは「考える力を高める方法」でした。
ここからはそれを「どう具体的なアイディアに結びつけていくか」です。
思い込み・決めつけは悪
考えるという作業は知性が行なう作業だ。知性とは、決めつけたり、思い込んだりせずに、視点を移動することができるということだ。
1つの視点だけから見て「これは、こうなんだ」と思い込んだり決めつけて、感情さえもそれに支配されてしまうと、「知性がない」ということになる。
(出典:アイディアを10倍生む考える力(齋藤孝著))
「視野が狭い」のは知性がないのですね・・。
⇩齋藤先生の具体的な説明
たとえば、戦争を引き起こすのは、もっとも知性が欠如した状態だ。二項対立図式で「相手は悪である、自分たちは善である」と決めつける。善悪二元論的な思考様式がある。
それを角度を変えてみたり、立場を変えて向こうから見るとこっちが悪に見えるといったところからはじまって、いろいろな視点から見ることができるようにするのが、知性というものだ。この視点移動力が、考える作業の基本になる。
(出典:アイディアを10倍生む考える力(齋藤孝著))
一般論にしてしまうと思考は進まない
一般論とは?
(例)
✅だから男というのは・・・
✅だから女というのは・・・
✅いまどきの若いヤツは・・・
何度も言ったことがある!ってヒヤッとしました。
なぜ一般論がダメかというと?
私たちは、一度「これはこういうものだ」と思ってしまうと、その観念からなかなか抜け出せない。そこから抜け出せなければ、新たな発想、アイディアなどは、なかなか生み出せないのだ。
(出典:アイディアを10倍生む考える力(齋藤孝著))
「聞く力」の磨き方
「聞く」とは受け身なことに思いがちですが、実際は能動的に聞くことで「考える力」が伸びると齋藤先生は述べています。
能動的に聞くと、脳が刺激され、自分がインスパイアされるとのこと。
少し未熟なところがある人が聞き上手になれる
わかる気がする!と思いました。
自分はどういう人に話をしたいかな?と考えてみると、何でも知っている経験豊富な人じゃなく、若々しくてやや未熟な人かも?
「ミディアムゾーン」の人になれ、と齋藤先生は言います。
✅利口ゾーン:あまりシャープすぎるので相手がかえって話しにくい
✅バカゾーン:鈍すぎて相手の話を聞けない
✅ミディアムゾーン:聞き手としてうまく相手の話を聞き出せる←これが良い!
意味の含有率を意識する
意味の含有率が低い人とは?
・前置きが長い(本題になかなか入れない)
・「それで、どうしましょう」「そういうのもありますね」といった発言が多い(=自分は考えていない)
・意味がほとんどない話(つまらない話)が多い
意味の含有率が高い人とは?
・いきなり本題に入って話を進められる
・意味がある話が多い
今回は以上です。
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