・どこを注意して書けば合格率が上がるんだろう?
疑問にお答えしながら、やってしまいがちなNG例を解説していきます。
✔ この記事の信頼性
小学校受験専門塾で25年間の指導経験がある現役講師。
これまで500枚以上の願書を添削指導し、「合格した願書」を実際に知る人物。
本記事の内容
- NG例その1 学校のタイプと願書の内容がずれているケース
- NG例その2 具体性が欠けているケース
- NG例その3 例文集をマネているケース
ではさっそく解説していきます。
小学校への願書の書き方が重要な理由
突然ですが、あなたはこんな経験はありませんか?
偶然読んだ文章に心を動かされて、「どんな人がこれを書いたんだろう?」と知りたくなったこと。
or
たまたま目にしたSNSでの投稿に「その通り!」と共感し、「なんかこの人と気が合いそうだな。」と感じたこと。
どちらのケースも、顔を知らない他人の文章に引きつけられた結果、その人自身に興味をもったということですよね。
小学校受験の願書も実はこれに似ています。
あなたの願書を読んだ先生方に
「このご両親はどんな方なのか、お会いしてみたい。」
「うちの学校にすごく共感してくださっているから、きっと良い関係が築けそう。」と思っていただけたらいいですよね。
反対に、願書の内容が先生方の心にとまらず、読み流されてしまったらどうでしょう?
願書は、小学校に対する第一歩めのアプローチです。
大好きな相手へする最初の告白のようなものだと私は思っています。
そう考えると失敗はできませんね。
ではいったい、どうすれば「このご両親に会ってみたい。」「うちの学校に合いそう。」と思っていただけるのでしょう?
疑問を解決するために
この記事では反対に、どう書くと読み流されてしまう残念な願書になってしまうのか、陥りがちなNGケースを1つずつ解説していきたいと思います。
小学校受験の願書の書き方NG例①:学校のタイプと願書の内容がずれているケース
願書の内容が志望校のカラーとずれていませんか?
学校が求めるタイプを深く理解できていますか?
意外と書いた本人はそのミスマッチに気がついていないケースが大変多いです。
ミスマッチ例
(例1)性差は個性の1つで、男子(女子)はこうあれ、という教育はしていない共学校への願書
✖男は男らしく、女は女らしくと育ててまいりました。
✖心身共に健やかな女性に育ってほしいと願い子育てをしてきました。
(例2)心のやさしい子供を育てたい学校への願書
✖自律心を大切に、厳しく育ててきました。
(例3)自立した子供を育てたい学校への願書
✖わが子は誰とでもすぐに仲良しになれるやさしい性格です。
赤字はパッと見、良いことを書いているようにも思えます。
いったいどこがダメなのでしょう?
1つずつ解説しますね。
(例1)男女は区別せず、どちらも一人の子どもとしてたくましく育てたいと学校側は考えているのに、「男」「女」という言葉を使う必要はありません。「それなら女子校がよろしいのでは?」と思われてしまう可能性があります。
「心身共に健やかな子供に育ってほしい。」で大丈夫です。
(例2)自律心も大事。必要とあれば厳しくしつけるのも大事。
それはわかりますが、あえてそれを願書に書く必要はまったくありません。
なぜなら、学校側はまず「心優しい人間になれ」という教育をしているのですから。
ご家庭の穏やかさや温かさを表現したほうがいいです。
(例3)やさしい性格がいいのは当然です。
やさしくするな、という意味ではありません。
自立を教育目標にかかげる学校の願書に書く必要がないという意味です。
性格をアピールするなら、「何事もあきらめずに頑張れる粘り強さ」や、「約束事はきちんと守る真面目さ」などを書くほうがいいです。
小学校受験の願書の書き方NG例②:具体性が欠けているケース
何百通もの願書を読む先生方にとって、どんな願書が心に残るでしょう?
それは、そのご家庭の様子やお子さんの様子が目に浮かぶような願書です。
そんな疑問を持たれた方に質問です。
次のどちらの文章が印象に残りますか?
A.明るく優しい性格です。周囲への自然な気配りができます。
B.明るく優しい性格です。泣いている友人に近づいて背中を撫でてあげたりします。
Bのほうが、姿が目に浮かびませんか?
ではもう一問。こちらはどうでしょう?
A.好奇心が旺盛です。いろいろなことに広く興味を持ち、追求するのが好きです。
B.好奇心が旺盛です。最近は特に宇宙に興味あるようで、毎晩図鑑を片手に空を見上げています。
これもBですね。(Aはつい読み流してしまいそうです。)
ここで誤解しないでほしいことは
抽象論がいけないのではありません。抽象論ばかりがダメなのです。
読み手の印象に残るために、いくつかの具体的なエピソードはマストです。
小学校受験の願書の書き方NG 例③:例文集をマネているケース
何百通の願書を読む先生方には、例文集を組み合わせたようなものは心にとまらない、ありきたりの「見飽きた願書」です。
あなたが一日数百枚の願書を読んでいると想像してみてください。
どれも似たり寄ったりのことが書かれていたらどう思うでしょう?
「さっき、こんな感じの読んだばかりだな・・・読んでいて楽しくないな。」「疲れたな。休憩したいな。」となるのではないでしょうか?
つい斜め読みになりますね。
「このご両親に会ってみたい。」とか「この子を見てみたい。」なんて気持ちは湧いてきませんよね。
採点する先生たちも同じ人間です。人の心を動かすには感情を動かす文章が必要なんです。
例文集を読んで心が動く、なんて人はいるのでしょうか?
いるわけありませんね。
大事なのは
✔自分の言葉で書く
✔素直な本心を書く
その学校のどこが心に響いて、大切なわが子を入れたいと思ったのか?
これはあなたにしか書けません。
例文集にのっているはずはありません。
まとめ
8~9月のただでさえお忙しい時期に、願書作成は本当に骨の折れる作業ですよね。
でも願書の重要性は高いので、ぜったいに手は抜けません。
合格につながる願書にするためにやってはいけないNG例を解説しました。
もう一度最後にまとめておきます。
合格につながる願書の書き方は
-
学校のタイプと願書の内容を合わせること
-
具体例をまじえた内容にすること
-
例文集はまねず、自分の言葉で、素直な気持ちを書くこと
少しでもお役に立てればと思い、毎年願書添削をしている立場から述べてみました。
参考にしていただけたら幸いです。
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最後までお読みくださりありがとうございました。