伊坂幸太郎さんの小説の魅力は、ストーリー展開から目が離せないだけでなく、登場人物のセリフが読者を魅了するのです。
今回は名言のみに注目。
デビュー作『オーデュボンの祈り』より、独断で5選をご紹介させていただきます。
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【名言1】人生ってのはエスカレーターでさ。自分はとまっていても、いつのまにか進んでいるんだ。
「乗った時から進んでいる。到着するところは決まっていてさ、勝手にそいつに向かっているんだ。だけど、みんな気がつかねえんだ。自分がいる場所だけはエスカレーターじゃないって思ってんだよ。」
それから、どうせエスカレーターは進むんだから、ぜいぜい息を切らして働くよりも、美味しいものを食っていたほうがよほどいい、と言った。
「働かないと食っていけない。働かなければ、エスカレーターの最後まで乗っていられないんだ。だから、仕事をする」僕は反論した。
「エスカレーターなんてのは、どこで降りても大した違いはねえんだ」
(出典:オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎著)
【名言2】一回きりの人生だ。だから何があっても生きていくしかねえんだ。
人の一生ってのは一回きりだ。
楽しくないとか、悲しいことがあったから、なんて言って、やり直せねえんだ。だろ。みんな、一回きりの人生だ。わかるか?
だから、何があっても、それでも生きていくしかねえんだ。
家族が殺されても、死にたいほど悲しくても、奇形で生まれてこようと、それでも、それでも生きていくしかないんだ。
なぜならそれが一度しかねえ大事な人生だからだ。
(出典:オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎著))
【名言3】人間を形成するために一番大切なものは・・親とのコミュニケーションだ。
「人間を形成するために一番大切なものは何かわかるか?」
(中略)
「親とのコミュニケーションだ」と彼は言った。「あいつには、それが途中から異例の形で消えた。だからどこか考え方がずれているんだ」
(出典:オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎著))
【名言4】人間は慣れる動物である。そうして飽きる動物である。
信じられないことばかりだったが、しゃべるカカシには、すでに違和感がなかった。人間は慣れる動物である。そうして、飽きる動物である。だらだらと生きる。若者は時間を持て余し、「何か面白いことないかな」と愚痴る。諸悪の根源とは、そのあたりにあるのではないだろうか。
(出典:オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎著))
【名言5】カオスとは、初期値がわずかにずれても、誤差が想像を絶するほど大きくなる。
カオス理論のことをまた、思い出した。カオス理論は、初期値がわずかにずれても、誤差が想像を絶するほど大きくなる。
ということは、どこかで何らかの情報が狂っていたのかもしれない。カカシの得ていた情報が、爪の先ほど違っていて、その誤差が一世紀半の間に広がり、最後には本人自身の死の情報を読み違いさせたのかもしれない。そんなことはないだろうか。
カオスとはそういう性質のものだった。ごくわずかのズレが、まったく予測できない結論を導き出すのだ。どこかで何かがずれていた?いったい何が?
(出典:オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎著))
この記事では名言のみに注目させていただきましたが、
・しゃべるカカシ
・外界から遮断されている島
・嘘しか言わない画家
・島の法律として、殺人を許された男
などなど、読者を夢中にさせるストーリーの小説です。
興味をもたれた方にリンクを貼っておきます。
ありがとうございました。