希望の糸(東野圭吾)は家族のあり方を考えさせられる、ちょっと重い内容です。
どんな話なのか全く知らずに、娯楽がほしくて読み始めてしまいました。
でも?
読んでよかったです。
ネタバレ有。未読の方はご注意ください。
Amazonで”聴く読書”をしてみませんか?
通勤・通学中やウォーキング中、家事をしながら、時間を有効活用できて便利!
今なら
・30日間無料
・12万冊以上が聴き放題
・いつでも退会可能
『希望の糸』あらすじ
東野圭吾の最新長編書き下ろしは、「家族」の物語。
「死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」
ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。
どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。
閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。
捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。
災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。
容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。
(引用:講談社BOOK 書籍シリーズ・雑誌と既刊紹介 文芸(単行本)希望の糸)
3つの家族が絡みあう
縁もゆかりもなさそうな登場人物たちが、徐々に繋がっていきます。
※未読の方のために完全なるネタバレは書きません。「ちょっとだけネタバレ」です。
震災によって我が子を失った家族
汐見行伸・怜子夫妻には2人の子どもがいました。
ある年、子どもたちだけで新潟県長岡市にある怜子の実家に行き、そこで悲劇が起きます。
新潟を震源地とする地震が発生。(後に新潟中越地震だったことが判明)
この地震によって子どもたちは亡くなりました。
夫婦は生きがいを失い、夫婦仲も悪くなっていきます。
そこで行伸はもう一度子どもを作らないかと提案。
お互いに高齢ということもあり、体外受精によりやっと怜子は妊娠します。
女の子が生まれ、夫婦はこれから再生すると思われました。
しかし怜子は白血病で亡くなってしまいます。
残された父と娘2人の生活は次第にぎくしゃくしていき、
娘は父に「自分は亡くなった姉や兄の身代わりではない」と悲痛な心境をぶつけます。
喫茶店を経営しているバツイチの女性
目黒区にある喫茶店の店主、花塚弥生が殺されます。
弥生の評判は良く、恨みや妬みを買うような人物ではないと、犯人につながる情報は出てきませんでした。
捜査の過程で、弥生が汐見の娘(萌奈)の学校近くに来て、部活の練習を何度も見ていたところを目撃されていたことが判明します。
その理由は?
弥生は少し前に離婚した夫と連絡を取っていたことが明らかになります。
復縁か?別の理由か?
元夫の現在の妻は、自分の夫と弥生が会っていることに気がつきます。
担当刑事の家族
弥生の殺人事件の担当刑事(松宮)は、死んだと聞いていた父親が、実は生きていると知りショックを受けます。
・他人の秘密を暴くことが正義なのか?
・警察にそんな権利があるのか?
自分と父親との複雑な関係とも照らし合わせ、悩みます。
大切な人と見えない糸でつながっている
- 子どもを失う親
- 子を望む親
- 子との関わりに戸惑う親
- ただ遠くから幸せを願う親
大切な人と見えない糸で繋がっている・・・
たとえ距離は遠くても、たとえ会えなくても・・・
人を思う気持ちとそれを結ぶ「希望の糸」
ぜひおススメしたい本です。
最後までお読みくださりありがとうございました。