お話の記憶が苦手なんです。どうしたら得意になれますか?
そんな方へ、よく見かける見当違いのアドバイスに
「本の読み聞かせをするとよい」 がありますけれど・・・
ん?
それ、全然違いますよ!
なぜかって?
では解説していきましょう。
✅この記事の信頼性
教育業界に携わって約25年
現在も小学校受験専門塾で教壇に立つ現役講師
毎年多くの生徒が志望校に合格
お話の記憶は多くの保護者の悩みの種であるのを理解し、克服へと導く手腕には自信あり
本記事の内容
- 絵本の読み聞かせをしてもお話の記憶は得意にはならない理由
- お話の記憶が得意になるロードマップ初級編
- お話の記憶が得意になるロードマップ中級編
- お話の記憶が得意になるロードマップ上級編
- お話の記憶が得意になるロードマップ実践編
「絵本の読み聞かせ」と「お話の記憶」はまったく別物だということを理解しなければならない
そう相談されることがあります。
しかし私に言わせれば、
そりゃ、そうでしょ!小学校受験のお話の記憶は、絵本の読み聞かせとは全くの別物です!
ではそれぞれの特徴を簡単にお話しますね。
「絵本の読み聞かせ」とは?
✅あー面白かった!と感じるオチ・結末が重視される
✅途中の細かい描写は思い出せなくても特に問題ナシ
✅挿絵アリなので、絵を見るだけで大部分を理解できる
小学校受験の「お話の記憶」とは?
✅特別オチがないストーリーが多い
✅話の冒頭から結末まで、細かい内容をつぶさに思い出せないとダメ
✅絵はない。耳だけで理解する必要アリ(学校によっては絵を見てお話を聞く問題もあります。)
ね?全然違うでしょ?
毎晩絵本を読んであげたって、お話の記憶の点数は上がらないとご理解いただけたでしょうか。
それはそれでとっても大事なのですから。
現代っ子は映像には強いが・・・
デジタルネイティブで、幼い頃より映像になじんで育ってきた現代っ子ですが
小学校受験は昭和と同じ。聞く力重視のアナログ世界です。
ですから日常生活の中で、ご両親が意識的にわが子の聞く力を育むための努力がどうしても必要なのです。
※意識的にの意味をさらに解説します。
映像を遮断する環境を保護者が意識して作ろうとしなければ、今の時代、普通に生活しているだけでも子どもの目には各種映像が入ってきてしまいます。
情報が視覚先行にならざるを得ず、小学校受験で必要とされる「聞く力」を育てる環境になりにくいのです。
お話の記憶が得意になるロードマップ:初級編
幼児教室や塾に通わなくても、ご家庭でできることばかりです。
文の復唱
20文字以内の簡単な文を、そっくりそのまま復唱させる
【例】
・私はシュークリームが好きです。
・昨日家で妹と歌を歌いました。
・僕はお友達と仲良く遊ぶことができます。
こんな感じの文を、一字一句違わずに復唱できるまで何度も繰り返します。
注意ポイント
何となく言えた、では✖
「てにをは」まで同じに言えるまで続けましょう。
単語を復唱
はじめは同じ仲間のものを順番通りに復唱
【例】
・犬、うさぎ、さる
・自動車、バス、飛行機
慣れてきたらまったく関係がないものを順番通りに復唱
【例】
・おばあさん、おにぎり、煙突
・いす、かごめかごめ、まないた
数字の復唱
3桁の数字をそのまま復唱⇒4桁⇒5桁
単語を逆唱
まずは同じ仲間のものを逆唱
【例】
・犬、うさぎ、さる⇒さる、うさぎ、犬
・自動車、バス、飛行機⇒飛行機、バス、自動車
慣れてきたらまったく関係がないものを逆唱
【例】
・おばあさん、おにぎり、煙突⇒煙突、おにぎり、おばあさん
・いす、かごめかごめ、まないた⇒まないた、かごめかごめ、いす
数字の逆唱
【例】
・651⇒156
・3719⇒9173
お話の記憶が得意になるロードマップ:中級編
単語と数をいっぺんに覚える
【例】
・〇〇ちゃんにおつかいに行ってきてもらいます。買ってきてほしものは、ジャガイモを3個・人参を2本・玉ねぎを5個です。
⇒買ってくるものは何?
・幼稚園ではニワトリを1羽と、ウサギを2匹と、ハムスターを5匹飼っています。
⇒何が何匹?
順番を覚える
【例】
・おかあさんは最初に八百屋さんに行き、次に肉屋さんに行き、最後にパン屋さんに行きました。
⇒おかあさんが行ったお店を順番通りに
・〇〇くんは、まずはじめにジェットコースターに乗って、次に観覧車に乗って、次にコーヒーカップに乗って、次に空中ブランコに乗りました。
⇒2番めに乗ったのは?
特徴を覚える
【例】
・〇〇くんは縦じまのTシャツを着て半ズボンを履いています。△△ちゃんは水玉模様のスカートに赤い靴を履いています。
⇒絵に描く
・お弁当のふたを開けると、中にはおにぎりが1個と卵焼きが2つとソーセージが2本入っていました。
⇒何が入っていたか答える
またはお弁当の絵を描く
お話の記憶が得意になるロードマップ:上級編
考える要素を加える
数を入れたクイズ
【例】
・犬が3匹と猫が4匹お庭で遊んでいました。どちらが何匹多い?
⇒猫が1匹多い
・〇〇くんはおつかいを頼まれてリンゴを3個、ミカンを5個、バナナを6本買いました。一番多く買ったのは何を何個?
⇒バナナで6本
・ケーキが6個ありました。あと何個で10個になる?
⇒あと4個
常識クイズ
【例】
・扇風機、麦わら帽子、マフラー、うちわ。冬に使うものは?
⇒マフラー
・ちょうちょもカエルも足は4本です。Yes or No
⇒No ちょうちょは6本
・コスモスも菊も朝顔も秋の花です。Yes or No
⇒No 朝顔は夏
お話の記憶が得意になるロードマップ:実践編
ここまで努力を重ねたら、いよいよ実践編です。
問題集などのお話の記憶本文を読んであげながら、記憶力&理解力の確認です。
少し時間が経ってからさっき聞いた場面の内容を確認する
入試のお話の記憶は、学校にもよりますが1000文字程度の長文です。
話が長くなると、始めのほうにでできた内容を徐々に忘れてしまいがち。
そうならないための練習方法は?
お話を途中でストップして、少し前の場面について尋ねてみましょう。
「さっき誰が出てきたんだっけ?」
「何をしていたんだった?」
「何を食べていたんだった?」
「いつの季節のお話だったんだっけ?」
ポイント
尋ねる内容は、実際に入試の設問になりそうな部分だけにするのがとても重要。
これをくり返すことにより、覚えなきゃいけない大事なことが何かを経験から学んでいくはずです。
正しく答えられたとしても、また少し経ったら再度同じ質問をしてみてください。
それでも正しく記憶できていればOK!
お話の記憶はほとんどの学校で出題されるので対策は必須
お話の記憶はほとんどの学校で出題されます。
苦手とか言ってる場合ではありません。
この記事を参考に対策してみてください。
問題文を持っていないんだけれど・・・
大丈夫です!書店に行けば過去問集がいろいろあります。
1冊お買い求めになって、いろんな学校の入試問題を使ってみましょう。
⇩ こういう過去問集のことです。
⇩ 筑波のお話の記憶はとってもおススメです。
⇩お話の記憶だけの問題集もあります。
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