★NEWSの加藤シゲアキさんが直木賞候補に選出★
2020年12月18日の朝に飛び込んできたニュースです。
・トップアイドル
・小説家
・作詞・作曲家
マルチな才能に恵まれている上に超イケメン!
すごいですね。
この記事では2012年、加藤さんがまだ24才のときに出版された処女作「ピンクとグレー」についてお話ししたいと思います。
これから読む方のためにネタバレしないように気をつけます。
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加藤シゲアキ『ピンクとグレー』のあらすじ
【引用】
大坂から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまう・・・
(出典:ピンクとグレー(加藤シゲアキ著))
真吾だけがスターとなるきっかけになる出来事はホントささいなこと。
運命と言ってしまえばそれまでだけれど。
長い月日が経った末に2人は再会します。
決裂したかにみえた関係も、実はずっと、お互いがお互いに愛情を抱き続けていたことがわかるストーリーです。
ネタバレがこわいのでこのくらいでやめておきます。
中島裕翔・菅田将暉で映画化される
出版から3年で映画化されました!
『ピンクとグレー』の魅力
「アイドルが書いた本でしょ?」
そんな感じで読むと良い意味で裏切られまくります。
これが処女作とは!
文章のうまさ&構成の素晴らしさに引き込まれました。
「ピンクとグレー」の魅力とは?
芸能界のリアルを堪能できる
トップアイドルの加藤シゲアキさんだから書けた小説だと思います。
芸能界のリアルを知る立場から、その栄光と苦悩を赤裸々に表現してくれています。
一例です。
世界はときどき一時停止をしてくれる。
でも芸能界は違う。再生か、停止か、それしかない。
だからやるしかない。そうだろう、姉ちゃん。
(出典:ピンクとグレー(加藤シゲアキ著))
加藤さんご本人のことなのかな?
読んでいてつらくなってしまいました。
ポイント
楽しい場面もたくさんあります。
「笑っていいとも!」とか実際の番組が出てくるところは面白いです。
そのほかにも
・ドラマの顔合わせ
・衣装合わせ
・リハーサル
・映画製作の現場
など、芸能界をのぞき見する感覚を味わえるのも魅力です。
心の機微をあらわす表現が美しい
加藤シゲアキさんの文章は表現が美しいのです。
言葉が豊かな方なんですね。
主人公2人の関係が決裂し、共通の友人(石川)が仲裁しようとする場面です。
石川からすれば今までくっついていた二つの磁石が突然同極を向けて反発してしまった程度に思えたのだろう。反対向きに戻せば元通りになると。しかし実際は違う。僕らの磁石の間に協力で分厚い磁石が挟まったのだ。僕らはそれに引きつけられているが、阻まれてもいる。離れることも向きを変えることもできず、僕らはそこにいるしかないのだ。一枚向こうにいる彼をもう二度と確かめることはできない。
(出典:ピンクとグレー(加藤シゲアキ著))
個性的な文章ですよね。
2人の関係が修復不能である様がすごく伝わってきます。
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ピンクとは何? グレーとは何?
「ピンク」と「グレー」は何を表すのでしょう?
気になりますね。
私なりに考えてみました。
①光と陰
②栄光と挫折
③憧れと嫉妬
④華やかさと孤独
➄進展と停滞
⑥羨望と幻滅
重要なのは、スターになった真吾がいつも「ピンク」で、スターになれなかった大貴がいつも「グレー」ではないということ。
★ピンクもグレーも中間色★
2人の立場はあいまいで、実は逆だったりするのかもしれません。
作家加藤シゲアキに期待
24才のときにこの素晴らしい小説を執筆した加藤シゲアキさん
彼は普段どんな本を読んでいるのでしょう?
気になりますね。
wikipediaによると、加藤さんがこれまで最も影響を受けた小説は「ライ麦畑でつかまえて」だそうです。
「ピンクとグレー」には加藤さんのインタビューが掲載されています。
それによると
「言葉が好きなので、本以外でも、雑誌でエッセーを読んだり、ネットでブログを読んだりしてきました。言葉にはずっと意識的に触れてきたという気持ちがありますね。」と話されています。
これからも作家加藤シゲアキを応援していきたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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