自分のアタマで考えよう 知識に騙されない思考の技術(ちきりん著)
「もっと早くこの本に出会っていたら、私の人生変わっていたかも。」と思いました。
✅学生は勉強がはかどり成績アップ
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そのための思考力の鍛え方を学べる本です。
この技術を知らなかったせいで、今まで人生でいっぱい損をしてきたと思うけれど
今からだって遅くない!
鍛えられた思考力で今後の人生を有意義に過ごせるよう、本の中から特に大事だと感じた点をピックアップします。
ではさっそくいきましょう。
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「知っている」と「考える」の違い
本書でちきりんさんは「30年前に比べ日本のプロ野球ファンが高齢化している」ことがわかるグラフを示し、読者に問います。
このデータから”わかること”や”言えること”または”考えうること”を書いてみてください。
AさんとBさん、ふたりの解答は?
Aさんは次のように答えます。
・プロ野球ファンの高齢化が進んでいる。
・このままでは日本のプロ野球界の未来は暗い。
・プロ野球界は若いファンを増やす努力をしていない。
・プロ野球は時代遅れになっている。
・良い選手が大リーグに流出しすぎて、日本の野球はおもしろくなくなっている(のではないか?)
もっともらしい答えですね。
一方Bさんは次のように答えます。
・日本のプロ野球界の未来は明るい。
・お金持ちのファンが増えている。
・定年後で余暇時間の長いファンも増えている。
・遊びや趣味が多い若者より、趣味が少なく余暇時間の多い高齢者のファンが増えているのはすばらしい。
・日本のプロ野球市場は今後かなり有望
え?同じグラフを見ているはずなのに? 言っていることが真逆じゃないか・・・
※ここからが重要です。
なぜAさんとBさんで真逆の意見になるのでしょう?
ちきりんさんは言います。
「知っている」と「考える」の違いが原因だと。
もうすこし詳しく説明しましょう。
Aさんの解答は「知っている」ことを言っただけ
Aさんの答えをおさらいすると
①プロ野球ファンの高齢化が進んでいる。
②このままでは日本のプロ野球界の未来は暗い。
③プロ野球界は若いファンを増やす努力をしていない。
④プロ野球は時代遅れになっている。
⑤良い選手が大リーグに流出しすぎて、日本の野球はおもしろくなくなっている(のではないか?)
ちきりんさんは指摘します。
「①~⑤はグラフを見る前からAさんが知っていたことなのではないか?」と。
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・
Aさんの頭の中をのぞき見すると?
・昔は巨人戦を必ずテレビでやっていたけれど、最近はプロ野球は全然テレビで放送しなくなっているなよな~
・有望な選手はみんな大リーグに行っちゃうから人気も落ちているんだろうな~
・そもそも若い人は野球に興味ないって聞くしな~
実際のところ日本では多くの人が、グラフを見るまでもなく、プロ野球ファンが高齢化していて、近頃はテレビ放映しても視聴率がとれないことを知っています。
Aさんは「知っていること」つまり「知識」を述べたに過ぎないのです。
Bさんは自分のアタマで考えている
Bさんの答えもおさらいしましょう。
①日本のプロ野球界の未来は明るい。
②お金持ちのファンが増えている。
③定年後で余暇時間の長いファンも増えている。
④遊びや趣味が多い若者より、趣味が少なく余暇時間の多い高齢者のファンが増えているのはすばらしい。
⑤日本のプロ野球市場は今後かなり有望
実はBさんは日本人ではありません。
母国にプロ野球自体ないそうです。
プロ野球について全然知識がないBさんは、2つだけ質問しました。
✅日本では若い人と高齢者とではどちらが裕福ですか?(A.高齢者のほうが裕福)
✅若い人と高齢者とでは余暇に使える時間は同じですか?それとも違いますか?(A.高齢者のほうが余暇時間が長い)
情報は、「2つの質問の答え」と「グラフから読み取れる内容」だけ。
Bさんには日本のプロ野球界の暗い未来はまったく浮かばなかったそうです。
さらに高齢者のプロ野球ファン向けのビジネスチャンスさえ感じたとのこと!
(例:天覧試合ホームランなど長嶋茂雄の名場面集DVDの発売)
知識にだまされない思考の技術
本書のサブタイトル「知識にだまされない思考の技術」
プロ野球の例えは、まさにこのサブタイトルを的確に表していると感じました。
反省・・・
ポイント
知識を引っ張り出しただけでは考えたことにはならない。
「知識」は過去!「思考」は未来!
本書の中でちきりんさんはこう述べています。
知識=過去
思考=未来
ここでも先ほどのプロ野球の例を思い出してみましょう。
Aさんの意見はすべて「過去に得た知識の積み重ねによるもの」
一方Bさんの意見は「先入観のない、未来に通用する論理によるもの」
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・
ちきりんさんが本書でわかりやすく説明してくれているのでご紹介します。
一部の「知識」は「過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」です。それを私たちは書籍や講義、報道などを通して学んでおり、自分の頭の中に知識として保存しています。なにかを考えろ、と言われたときにそれを頭の中から取り出してくるのは、「他人の思考を頭の中からとりだしてくる行為」に他なりません。
(中略)
それに引きずられずに「自分で考える」ことができなければ、私たちは未知の世界に向けて新たな思考を拓いていくことができません。
(中略)
このように、私たちはしばしば他人の考えをまるで自分の考えであるかのように錯覚します。
(中略)
自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります。「自分で考えなさい!」と言われたら、頭の中から知識を取り出してくるのではなく、むしろ知識をいったん「思考の舞台の外」に分離することが重要なのです。
(出典:自分のアタマで考えよう(ちきりん著))
ということは・・・
専門分野とか興味をもっている分野は、特に知識が多いはず。
だから専門領域について思考する際は、いっそう気をつけなければいけないということかもしれません。
ポイント
仕事関連・専門・趣味など、知識が多い分野に関して考えるときはとくに、知識と思考を区別することが大事!
「作業」と「思考」の違い
ちきりんさんは我々に警告します。
「作業」しているだけなのに「思考」していると勘違いしていませんか?と。
「作業」を「思考」と思い込むワナ
本書の中で、痛いところをつかれた!と感じた箇所をご紹介します。
「考えてもいないのに、考えたつもりになってしまうこと】・・・・本を読んだりネットで情報を集めたり、もしくは徹夜して表計算ソフトを操作することの問題はここにあります。
特に表計算ソフトに向かっている時間を「考えている時間」だと思いこんでいる人は要注意です。ああいったソフトを操っている間、たいていの人はなにも考えていません。作業をしているだけです。作業だから、寝不足で頭が回っていなくても続けられるのです。
(出典:自分のアタマで考えよう(ちきりん著))
確かにその通りかも。
だから成績が良くなかったのか!
今さら知ってもあとの祭り・・・
どれが「作業」で、どれが「思考」か?
ちきりんさんは、わかりやすい例を挙げています。
数字が大量に記載された資料が手元にあり、それをグラフ化するのだとしましょう。そのプロセスは次のようになります。
①この数字をグラフ化する意義があるかどうか考える。
(作業に必要な手間と、グラフ化の意義を比較して決める。)
②数字を表計算ソフトに有力する。
③円グラフにするか、棒グラフにするか、などグラフの形式を決める。
④そのグラフにするための操作ボタンをクリックする。
⑤グラフの体裁を整える。
(出典:自分のアタマで考えよう(ちきりん著))
さて、①~⑤でどれが作業で、どれが思考でしょう?
【答え】思考は①と③だけ。(あとは全部作業)
※さらに問題有
①と③にかかる時間は数十秒で可能なこともある。
一方で②④⑤にかかる時間は長い。
作業を思考と勘違いしないために、自分は今日1日で何時間を「考える」ことに使ったか、意識するとのこと。記録するのもおすすめだそうです。
ポイント
『自分のアタマで考えよう』はその他の思考技術も学べる
ここまで私が特に感動したポイントを述べさせていただきました。
本書では、この他にも思考技術を高められるヒントがたくさん紹介されています。
興味をもたれた方にリンクを貼っておきます。
最後までお読みくださりありがとうございました。