2020年本屋大賞 第2位
小川糸さんの『ライオンのおやつ』を読みました。
瀬戸内のホスピスが舞台です。死に直面した人たちの言葉が感動的なのです。
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第1話:いま、生きることが愛しい。感動の物語
第2話:誰の人生にも、輝きがあった
第3話:幼い友の旅立ち。小さな奇跡が、そこにあった
第4話:あなたと家族でよかった。雫は一歩を踏み出す!
第5話:どんな終止符で人生を飾ろうか? 答えを出そう
第6話:私たちは、最後まで仲間
第7話:誰もが宝物を手にできる。ドラマは最終章へ
第8話(最終回):最終回 人生は、私への贈り物でした
『ライオンのおやつ』あらすじ&作者からのメッセージ
あらすじ
男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。
最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。
(引用:ポプラ社公式『ライオンのおやつ』)
作者からのメッセージ
母に癌が見つかったことで、わたしは数年ぶりに母と電話で話しました。電話口で、「死ぬのが怖い」と怯える母に、わたしはこう言い放ちました。「誰でも死ぬんだよ」けれど、世の中には、母のように、死を得体の知れない恐怖と感じている人の方が、圧倒的に多いのかもしれません。母の死には間に合いませんでしたが、読んだ人が、少しでも死ぬのが怖くなくなるような物語を書きたい、と思い『ライオンのおやつ』を執筆しました。 おなかにも心にもとびきり優しい、お粥みたいな物語になっていたら嬉しいです。
(引用:ポプラ社公式『ライオンのおやつ』)
死にゆく人たちが次々と登場しますが、やさしさにあふれた内容です。泣けます!
『ライオンのおやつ』の名言集
名言を私の独断で8つ選びました。
幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
これからはもっと、自分に正直に生きよう、と。ありのままの自分を丸ごと受け入れて、醜い部分も、未熟な部分もすべて認めて、素直になろう。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
絵本だったら、途中まで読んだけれどその後が気になって眠れなくなることもなかったし、辞書を引かなくてはわからないような難しい単語も登場しなかった。悪意を持って人が殺されたりもしない。動物はたまに死んでしまったけれど、それも自然な流れの死に方であって、面白半分に殺されたりはしなかった。死にそうな癌患者が登場することも、まずない。
絵本なら、安心してページをめくることができる。それに、たくさんの美しい絵に出会えて、そのたびに心が癒されるのだ。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
なんでもない日常が、これほど貴重になるなんて、想像していなかった。無邪気に過ごせていたあの頃の日々が、ぎゅっと抱きしめたいほどに愛おしかった。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
本当の本当のところでは、まだ死にたくない。私は、もっと生きたい。
そう思うことが、欲張りみたいにも感じていた。往生際が悪くて、みっともないと。でも、そうじゃない。死を受け入れる、ということは、自分が死にたくない、という感情も含めて正直に認めることだった。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
病気になって、俺は本当に生まれて初めて、金では買えないものがあることを知った。それに気づいたら、世の中は金で買えないものばかりだった。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
そんなに簡単に、自分の生き方を変えることはできないもの。でも、自分の人生を最後まであきらめずに変えようと努力すること、そのことに大きな意味があるのだと思った。
(中略)
人は死の直前まで、変わるチャンスがある。
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
人生には、何回でもおかわりしていいことと、そうではないことがあるんだ
(出典:ライオンのおやつ(小川糸著))
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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